数年前、コロナ以前に家族でタイ旅行に行った時の出来事。チェンマイ空港からバンコクのドンムアン空港への国内移動時に、チェンマイ空港での手荷物検査でひっかかった。ひっかかったのは、なぜかチェンマイで買ったハチミツ2瓶。
係員のおばさんが、「1瓶が100mlを超えているので持ち込みダメよ」と言う。嫁さんと子どもたちは先に自分達の手荷物検査をクリアして、おかまい無しに先に進む。ハチミツは、1瓶300ml、これが2瓶。
「1瓶100mlならOKだったの?」と聞くと、さすが微笑みの国、タイ。おばさんは、満面の笑みでうなずいてくれる。
そこで、現状を打開する良案を思いつく。アクションのスイッチが入った。後ろに列をなす他のお客さんに迷惑をかけないよう、列を離脱。おばさんには、「I will be back !」と言い残して。
手荷物検査エリア手前のベンチに戻り、ハチミツの瓶を開け、腰に手をあてて、飲み始める。瞬間、むせ出してハチミツは飲み物ではないことに気づく(良い子はマネをしないように)。近くの少年に助けを求め、「Would you try honey ? 」と聞くも、おかしな日本人を見て笑い続ける。
ようやく残り100mlまでたどり着いたが、もう2本目は無理だと観念。まっさらの残りのハチミツ1瓶は、一連の様子を見守ってくれていたベンチ横の喫茶店のお姉ちゃんにプレゼント。「This is for you, my honey. 」
数年分のハチミツを一気に飲み、もったいない使い方に反省。ただ、この残りだけでも持ち帰りたい。
手荷物検査エリアに戻り、運良く、さっきの係員のおばさんを見つけ、大きく減量したハチミツの瓶を振りながら、満面の微笑み返し。そう、ここは微笑みの国、タイ。
おばさんは、さらに微笑み返してくれたが、事はうまく進まない。
「ずっと見てたけど、飲んだのね。これはスゴいことだわ・・・でも、中の液体(ハチミツ)が100ml以下であろうが、容器が100mlを超えている時点でNGなの。なので・・・」と気の毒そうに言う。
続きが気になり、即座に訊ねる。
「なので、どうすればいいんでしょうか?」
「なので、機内に持って入れないので、残りの半分も飲んじゃって・・・」
「・・・もう、飲めません」
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・・・もう、飲めません